HACCPシステム導入を振り返る
日本型HACCP「総合衛生管理製造過程(マル総)の問題点認識が出発点
HACCPシステムにISOシステムを加え、機能的な食品安全システムにしたISO22000が、世界基準として05年9月から正式発足したことは、すでに周知の輪が広がっていると思う。
ISO22000は、HACCO欠点を補い更に補強している。よく出来たシステムである。
ただし、これまで導入してきたHACCPシステムにISOを単にドッキングさせる、という考え方でISO22000を導入したのでは、折角システムが生かされない。
特に”日本型HACCP”とも言われた「総合衛生管理製造過程」(マル総)については、これまで識者から問題点が指摘されている。
この際、これまでのマル総導入や実施の際に「問題点」と認識されたことがらを、抽出整理しておくことが、大切である。
衛生管理には真のHACCPを
2000年[平成12年)9月12日朝日新聞の13版33頁主張・解説欄の「論壇」に日本HACCPトレーニングセンター理事長の田中正信氏が「衛生管理に真のHACCPを」という主題で、「厚生省が認証しているマル総は真のHACCPとは言いがたい」と厳しい批判をを投稿している。
田中正信氏の講演は、次に紹介するセミナーで聞いたことがあるので、この主張には重みを感じている。
1997年9月29日〜30日の2日に大阪東急ホテルで開催された「食品安全先進国アメリカに学ぶ「HACCP」実践セミナーの中でで行なわれた。
講演会全体のプログラムは次のようであった。
第1日目
講演1「我が国における食の危害の現状〜病原性大腸菌O157感染症を中心に」
国立国際感染症センター研究所長竹田美文氏
講演2「日米の比較で考えるHACCPの実施上の問題点
・・日本ではなぜHACCP導入が困難なのか?」
US-JAPANScience Consulting Service社長 田中信正氏
講演3「HACCPそしてその食品産業における実践の課題
まさに「農場から食卓まで」
米国コーネル大学食品科学科教授 ロバート・グラバニ氏
第2日目
講演4「HACCP〜食の安全を脅かすものは何か、
そしてそれを必ず防ぐ方途とは」
全米食品製造業協会副会長デェーン・バーナード氏
パネルディスカッション
パネラー
米国コーネル大学食品科学科教授 ロバート・グラバニ氏
全米食品製造業協会副会長デェーン・バーナード氏
コーディネーター
US-JAPANScience Consulting Service社長 田中信正氏
進行役
日米HACCP実践セミナー実行委員会事務局長 松延洋平氏