№(24)殺菌剤による器具の消毒
食品と科学 [食品企業の食品危害防止体制シリーズ]
04年 7月号「」ダイジェスト
前号のあらまし
施設・設備・器具・容器が食材を汚染していないか点検する、SSOPはHACCPの基礎である。ATPを使い洗浄SSOP(衛生標準作業手順)」を定着させた事例を紹介し、更に、即見えるデンプン残留検査の活用も提案し、能率目的の「5S」から「新衛生5S」実施を勧めた。
【注】新衛生5Sは、食品衛生7Sに発展、平成18年2月「食品衛生7S導入編」「同洗浄・殺菌編」「同実践編」の3冊が米虫節夫編著で日科技連出版社から出版され、同10月にデミング賞委員会の「日経品質管理文献賞」を受賞した。筆者も共同執筆者の一人として、食品衛生7Sを現場に取り入れることをお勧めしたい。
今号では
殺菌剤の濃度不足や測定機器不使用による殺菌不十分の原因は
a 殺菌作業用衛生標準作業手順(SSOP)が使われていない。
b 計量カップがない。
c 計器で残留塩素量を確認していない。
d 洗浄不十分で汚れが残っている器具・容器を浸漬すると、残留塩素は汚れと結合して殺菌は不十分になる。
点検のポイントは、
① 次亜塩素酸ナトリウムの保管状態、使用量や補充量記録と作業量を対比し不自然さがないか?
② 備え付けの計量カップが使われているか、壊れたまま、無くなったままなっていないか?
③ 塩素剤は殺菌作業の継続によって消耗することや、汚れが残ったままの器具・容器を浸漬しても効果が期待できないことを知っているか?
④ 作業中の残留塩素測定器の状態、試薬の使用状況、測定記録に不自然さはないか?
熱湯で殺菌作業をしている場合殺菌不十分の原因は
① 洗浄後の、ゆすぎ湯の温度が低い。
② ゆすぎ湯に浸漬する時間が不足。
の二つである。
殺菌作業は通常80〜85℃の湯に2分間浸漬するか、食器洗浄器の場合は、例えば85℃のシャワーで三十秒ゆすぐことで行なわれる。
ポイントは湯の温度と殺菌時間の保持湯の温度保持は
① ボイラーの給湯能力は十分あるか?
② 湯槽の容量、湯の量は金網籠に入れられた器具・容器に対応し、十分あるか?
③ 補助加熱は十分か?
殺菌時間の確保
手洗いした食器を80℃の湯に2分間浸けて殺菌するとしても、殺菌用シンクの数、ラックの数、作業員の数に比べて食器の量が多く、作業時間が限られているとしたら湯に浸ける時間は守られない。
ピーク時の洗浄・殺菌作業の実態調査を行い、無理がある場合は、人手による洗浄殺菌から、食器洗浄機への切り替えを検討すべきである。
【注】レストランの湯の必要量については04年の食品と科学4月号『管理職が使いこなす4つの技能 その四』32頁「食器洗浄に必要な湯の量」でも述べているので参照されたい。(猫西 一也)
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