米国産牛肉の輸入禁止問題

食肉処理場における危険部位除去のポイントはSOP(標準作業手順)

 06年2月8日コミュニティプラザ大阪でセミナー「第1回製造現場に必要な微生物制御の基礎知識」が行われたことは、2月9日の日記に書いた。

 その中で、近畿大学大学院農学研究科米虫節夫教授は特別講演の主題「品質管理におけるISO22000の役割と今後の展望」の講演に先立ち、「米国産牛肉の輸入禁止問題」について講演を行った。

 現在、最も実証的で的確な状況分析と提言であり、わが国の為政者やBSE対策にかかわるすべての人が、教授の意見に耳を傾け、アメリカのBSE対策実施状況を的確に検証する具体策を練ってほしいと思った。

 米虫教授は、現在日本が対応しているアメリカ産牛肉の禁輸再開問題について、日本が調査すべき、アメリカに遵守を求めるべきポイントを明確に示した。

 それは、以前、同教授が、自ら主宰する食品安全ネットワーク海外研修で、実際に牛肉処理工場を視察した体験に基づき、「現場作業員が使っている標準作業手順」に危険部位除去の手順が明記され,その作業を行う場所が設定されていなければ、除去作業は行われない。

 また、この作業員を監督する人達も同じく衛生標準作業手順のチェックリストに基づいて点検しているので、このチェックリストに記載がなければ、点検もされない、というものであった。その通りだと思った。

 特別講演の内容は主題も含め食品と科学社(℡03−3291−2081FAX03−3233−0478)月刊食品と科学4月号に掲載される。(予定)(猫西 一也)