*[食品工場の衛生管理](34)

食品と科学 [食品企業の食品危害防止体制シリーズ]
05年1月号「」ダイジェスト

昔人間型幹部がリーダーになると

昔人間型役職幹部は、一般に会議のあり方や手法を学ばない、学ぼうとしない。
だから、会議の席に就くなり、一方的に、現場作業がうまく進まない愚痴や場違いの精神改善論をえんえんと述べ立てる。
スタッフから問題提起があると、勘違いして怒ったりもする。
その結果折角の会議の場は、訓示の繰り返しや業務伝達の場になり参加者はうんざりした顔で散会する。
その結果「またかぁー」と会議するごとにモラルは下がることになる。
こんな現象が無いか会議の実態を自分の目や耳で見直し、あれば速やかに改革する。
昔人間型役職者の意識改革や必要な新技能を習得・熟練させる教育は難事業である。しかし経営者が、外部の手を借りてもすべき、経営者にしか出来ない課題である。

スタッフ出身部署からの圧力が強いと

スタッフを出している部署の長がプロジェクトチームの目的より自分の部署の利害を重く考えていると、スタッフは出身部署の枠組みをそのまま持ち込むので、枠組み同士がぶつかり合い意見の集約が出来なくなる。
経営者がチームに与えた問題や課題が重要であることを自らの言葉でチームスタッフはもちろん全社員にも浸透させる必要がある。
さもないと、チームスタッフの顔はチームリーダーではなく、スタッフの出身部署長の方を向く。
チームリーダーの求心力は失われ課題の達成は遠くなる。

参考資料

日本規格協会のISO22000日本語訳版の6・2 人的資源を以下に要約した。

6.2人的資源
6.2.1 一般
食品安全チームや食品安全に関わる要員はそれにふさわしい力量を持ち、しかも、適切な教育、訓練を受け、熟練した技能および経験を持たねばならないこと。
と、要員が経験豊かで仕事に熟練したプロであることを要求している。
また、食品安全マネジメントシステムの開発・実施・運用に外部の専門家が協力して行うことを認めており、その場合は責任や権限を明確にした契約記録を作成することを求めている。

6.2.2 力量、認識および教育・訓練

組織がすべきこととして,大要次の7項目が求められている。
1 食品安全に関わる要員に必要な技能や力量を明確にする。
2 これらの技能を確実に修得するのに必要な教育・訓練を実施する。
3 もし、食品安全プロセスを制御できなくなるような逸脱が起きた場合、必要な処置が取れるように、食    品安全プロセスの監視に責任を持つ要員に適切なモニタリング技術訓練を確実に実施する。
1 上記??の教育・訓練活動が有効性を持っているか評価しなければならない。
2 要員が行なう食品安全活動は重要であり、しかも適合性を持っていることを要員自身に確実に認識させる。
3 食品安全に関わる要員が、外部と内部の両面で効果的なコミュニケーションを行なうことの重要性を確    実に認識させる。
4 食品安全に関わるすべての要員の教育・訓練、力量と経験に関する記録を作成し、管理する。

【注】日本規格協会刊「ISO22000英和対訳版」連絡先03・3592・1401
米虫節夫・金秀哲共著「ISO22000食品安全マネジメントシステム入門」日本企画協会。では要求事項を基に作成した分かり易い<マニュアル事例><マニュアル作成のポイント>が紹介されている。

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                             (猫西 一也)