近畿大学農学部米虫節夫教授日本防菌防黴学会会長に就任

私が所属します食品安全ネットワーク会長の米虫節夫近畿大学農学部教授が日本防菌防黴学会会長に就任されました。
先生は、11年前に食品安全ネットワークを創設され、以来、日本型HACCPシステムの改善、ISO22000研究会活動を基礎に
ISO22000の研究と啓発。出版ではHACCP実践講座、食品衛生7Sでデミング賞委員会から2度のわたって日経品質管理文献賞を受賞されるなど、先進的な活動を展開しておられます。
 また、以前から手術室など施設全体の防菌防黴については、基礎研究を行っておられ、高松塚古墳のカビ問題についても、もっと、専門
分野からの知識技術を導入することと提言しておられます。
私も、食品安全ネットワークに参加したことで、多くのことを学ぶことができました。日本防菌防黴学会についても関心を寄せていただければ幸いです。
食品安全ネットワークのHPからごあいさつを転載いたしました。

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「日本防菌防黴学会へようこそ」
会長 米虫節夫(近畿大学農学部 教授)

「日本防菌防黴学会」とは
 高温多湿のモンスーン地帯に位置する国々では,細菌やカビなどの微生物による健康被害や衣・食・住・環境の品質劣化などが生活を送る上で大きな問題となっている.微生物被害は,最近マスコミをにぎわす国宝級の文化財も例外ではない.しかし、微生物は地球上に生まれた最初の生物であり,その能力は計り知れない.微生物は,人間をも含めた生物が出す廃棄物,特に有機化学物質の分解者として地球環境の修復に努めてくれると共に、我々に美味な発酵食品や抗生物質をも提供するなど人類にとって有益な生物種でもある。
本学会の目的はその様な微生物を絶滅させるのではなく、その生育をコントロールして被害のでない状態の製品や環境をつくることにある。すなわち、本学会は微生物の生育環境を物理的・化学的さらには生物学的手段により効果的にコントロールするための武器や戦略を産官学の関連分野の研究者・技術者が情報交換し、その英知を集めて社会の福祉に寄与しようとする学術団体であり,現在焦眉の地球環境問題を多様な能力を持つ微生物を活用することにより解決させようとする方法において無視できない分野を担当する学術団体である。
活動としては、和文月刊誌「防菌防黴」と英文季刊誌「Biocontrol Science」を刊行し、毎年開催の年次大会に加えて、数多くのセミナー・シンポジウム・講演会・技術講座・研究部会を開催している。これらの活動を通じて防菌防黴に関する基礎的分野から応用分野までの広範な範囲の学術交流を活発にし、21世紀における人類と地球のウェルネスに寄与する学会として、なおいっそう発展を期したいと考えている。



会長就任に当たって
2007年6月1日から2年間,本学会の会長職を努めることになった.会の運営に関しては,評議員会,理事会などの役員の皆さんと協議をし頑張っていく所存であるが,会員諸兄のさらなるご協力をお願いしたい.
学会の紹介でも書いたが,昨今の社会情勢を見るとき当学会の担当する多くの分野で 大きな問題が山積している.例えば,食の安全・安心確保とリスク管理の問題,ノロウイルスBSEなどの新興・再興感染症,病院や介護施設などを含む医療分野の微生物管理,医療用品製造分野における滅菌のバリデーション,文化財のカビ汚染対策等々.さらに,多くの殺菌法・消毒法の国際規格化,各種微生物に対する新しい試験法の開発と,現場での適切な使用方法の検討など.このような動きに対して,適切に対処していきたい.ご意見などがあれば,事務局に対してどんどん提出していただきたい.機関誌上やHP上で出来るかぎりの対応をさせていただく予定である.
最後に,この分野のさらなる発展には,本学会会員の増加は欠かせない.ここ数年間会員数は漸減傾向が続いている.小職の最大の任務はこの減少傾向にストップをかけ,増加させることと考えている.少なくとも2年の内に正会員数を2000人以上,会員数総計2500人・社以上になるように頑張りたい.会員の皆様におかれては,会員数増加のため近隣の友人などにぜひ当学会への入会を勧めていただきたい.多くの皆様が本学会へ参加されんことを心から希求する。
リンク 食品安全ネットワークHP http://www.fu-san.jp/ 

2007.06.01