*[給食の衛生管理」(14)検収(受け入れ検査)2

前回のあらまし

受け入れ検査重要性の認識

 HACCPリーダー養成研修会のグループ討議で「いかに受け入れ検査が重要か、受け入れ検査を軽く見て、責任者が立ち会わなかったことで失敗した事例が紹介され、受け入れ検査を工程として明記すること、検査手順をSSOPとして確立しておくことが決められた。

料理長が受け入れ検査
 クィーンエリザベス2世号では、港に接岸すると、舷側搬入口で料理長が食材一品一品を吟味していることがTVで紹介された。
 調理の幹部が、早朝の受け入れ検査を行えば、料理の質は確実に上がる、仕入れ元には大きなインパクトになる、受け入れ検査を末端従業員まかせにし、幹部は伝票に判子を押すことばかりしていると鮮度の悪い食材で料理をすることになる。

*[給食の衛生管理」(14)検収(受け入れ検査)2

検収台の環境
検収台は北向きで窓から自然光が入るのが好ましい、この場合、ブラインドが活用されていないことが多い。
 ブラインドは、目の高さまで下げ、外の光が直接目に入らないように調節し、検査する物件は自然の間接光で見る状態にしておく。
 夜間や雨天でも明るい状態で検査できるよう手元暗がりにならないよう局所照明をする、明るさは、検収台上で1000ルックスは必要。この場合、光の質も大切で自然光に近い色温度の照明器具を選ぶ。対応する照明用具が無い場合、小木曾定彰氏は、40W昼光蛍光灯と100W普通白熱電球を一つの光束に混ぜ、投光することを勧めている。

朝日、西日には注意
 受け入れ検査室が東向き、西向きの場合、検収前の食材に太陽光がまともに当たっているのを見受けることがある。
 検収は、搬入時間に合わせて開始する柔軟性が無いと、鮮度の悪い食材を原料とすることになる。

検収は輸送分野まで視野に入れて

 ISO22000では、フードチェーンの川上から川下までの、緊密なコミュニケーションを要求事項としている。輸送分野は食材の温度管理など食品安全面で数々の問題点が指摘されている分野であり、輸送分野まで視野を広げて検収することが今後の課題である。
 
リンク 食品安全ネットワークHP http://www.fu-san.jp/