*[食品工場の衛生管理] №(13)細菌性食中毒防止自己点検表

*[食品工場の衛生管理] №(13)細菌性食中毒防止自己点検表

食品と科学 [食品企業の食品危害防止体制シリーズ]
04年3月号「管理職が使いこなす4つの技能その3」ダイジェスト

前号では

これまでブログでも紹介した「食中毒発生」の要因分析を基に今度は私なりの未完成「細菌性食中毒防止自己点検表」を作成し、前号では点検項目「方法」14項目を紹介した。

細菌性食中毒防止自己点検表(その3)
点検項目 「施設・設備・器具・容器」
 
1. 食材と接触する器具の洗浄・殺菌は、衛生標準作業手順(SSOP)通り行われているか。
2. 洗浄後トータルプレートカウント(TPC)や検査試薬で清潔度を測定しているか。
3. 給湯用ボイラーの能力は加工・調理・製造量に十分対応し、安定しているか。
4. 殺菌剤による食器、食材の殺菌濃度・時間はモニタリングされているか。
5. 作業場や使用器材は、用途別に区分使用され、器材の必要数も確保されているか。
6. 使用器材の配置、補充に用度係がすばやく対応しているか。
7. 原材料と調理済み食品各エリアの用具は色分けされ、使用区分が守られているか。
8. 給水殺菌装置の安全点検が、定期的に行われているか。
9. 給水配管端末の残留塩素測定が、毎日行われているか。
10. 休日明けには、貯留水を放出し、外部洗浄水として使用しているか。
11. 受水槽、給水タンクは定期的に清掃・殺菌しているか。
12. 用水の水質検査を年1回以上行い、飲用適であることを確認しているか。

 点検項目の奥行きを知る
奥行から浮かんでくるもの、それは、「何をするのか」「なぜするのか」「実施上の問題点は」と、その項目が持つ物語である。
点検項目は目次と考え、その奥にある本文をしっかりと読む。

洗浄・殺菌の目的は微生物レベルの清潔
 器具の洗浄・殺菌作業はは必ず衛生標準作業手順表にし、作業者が手順どおり作業しているかを点検する。
同時に、洗浄後の清潔度を、TPCによる細菌検査やヨード液による澱粉残留検査、オイルレッドのアルコール液による脂肪残留検査を行っているか点検する。
 この清潔度テストを行わないと、「洗浄・殺菌は清潔な状態にする手段であること」が忘れられ、洗浄・殺菌作業が目的となってしまう。
この結果、洗浄・殺菌作業は行われているのだが、点検すると器具や容器には、汚れが残っている状態になり、それが平常化してしまう。
塩素消毒時の残留塩素測定をしないと、作業員は目安で作業をする、目や手に障害を及ぼす過剰使用や塩素濃度不足で消毒の目的が果たせない結果を招く。

基幹的事項に不備があるときは

給湯能力に不足がある、用度係の活動が鈍く器材の補充が十分でない、休日明けの貯留水を外部洗浄用使用がされない、給水系統の検査が不十分である、といった事柄に問題があるときは、経営者が先頭に立って問題解決にあたらないと、問題の先送りとなりやすい。
衛生管理責任者は、経営者が問題意識を持ち、速やかに行動するように、報告や会議の場で力量を発揮しなければならない。

力量を磨く

熱意だけでは経営者は動かない、なぜ、改善しなければならないのか、改善しないとどのようなリスクがあるのか、を説得力のあるデータで立証的に、分かりやすく説明する。熱意は、感じさせる。
達成できれば、それが力量になる。現場の人たちは力量のある人だけを信用し、ついて行く。


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                             (猫西 一也)